不妊治療を仕事と両立するのは、職場にすごく気をつかいますよね。
ただでさえ決められた時間に薬を飲んだり、注射を打ったりで大変なのに、いつ受診か先は読めないし、不妊治療当事者でないとなかなか治療にも理解してもらえないし、、、
急な休みで上司には嫌な顔をされるし、精神的にも身体的にも負担が大きいと思います。

比較的休みを言いやすい職場ではありましたが、私自身すごくストレスでした。
不妊治療をする中で退職を考えられる方も少なくないと思います。
保険適応になったとはいえ、高額な不妊治療です。
体外受精となると一気に高額療養費制度の上限に毎月引っかかる金額となります。
いつ治療が終わるかわからない不安になかなか退職の決意ができないかと思います。
私は急性期病院に看護師として10年勤めていましたが、何度も退職を考えました。ですがお金の心配でなかなか辞めることができませんでした。
不妊治療を理由に夜勤のない部署へ移動となりましたが、移動先でのストレスが大きく、不妊治療に専念するためにも退職をすることを選びました。
退職後1年半年ほど治療だけに専念しましたが、結局お金の不安と焦りから、再就職をすることを選びました。
休職中は、高額療養費制度、雇用保険、付加給付制度、県や市の不妊治療助成金などの制度に大変助けられました。

私の体験談が何かのお役に立てると嬉しいです。
不妊治療のために実際に退職してみたら思ったよりお金が必要だった
1年間は働かなくても生活できるくらいの貯蓄があっての退職でした。
新卒から働き始めて、毎月お給料が入るのが当たり前となっていましたが、夫の収入はあるものの一気に収入が半分となり、思った以上に不安感が強くなりました。
不安な中でもかかる高額な治療費。
どんどんやってくる健康保険料、国民年金保険料、住民税・・・
事前に調べてはいましたが、何十万円というお金が預金口座から消えていくのはなんとも辛い思いでした。
今まで半分会社が払ってくれていたことを身をもって感じました。
これはたまたまなのですが、不思議なもので退職すると車や家電が壊れたりなど大きな出費も重なり余計に不安感が増しました。
収入が減少することでのストレスと夫との喧嘩の増加
いつまで続くかわからない不妊治療、減るばかりの預金。
時間だけはあるので「なんであの人は努力もしないですぐに子どもができたのに私はできないんだろう。」「お金も時間もかけてるのに。」「ずるい。」など、負の感情ばかりでした。
平日は家に引きこもりがちでしたが、元々でかけることが好きな夫は今まで通り、外食や旅行などを提案してきました。
夫の考えでは、せっかく時間があるのに今の時間を大切に楽しまないのはもったいない。子どもができたらこんなことはなかなかできない。など前向きなものでした。
当時のネガティブまっしぐらな私は、その気持ちを理解することができず、不妊治療への焦りと不安、働こうにも不規則な受診で働くことができない焦り、治療の痛みや疲れなどが重なって、夫に泣きながら文句を言うことが増えました。
お金が減っていくことへの不安や治療への焦りや不安などから、以前よりも喧嘩をすることが増えました。
節約にも限界がある

元々倹約家だった私は、節約すること自体に苦痛はありませんでした。
私が仕事を辞めても、節約すればなんとかなるだろうと甘く考えていました。
結婚を機に固定費の見直しは行っていましたが、退職後はなかなかできなかった保険の解約なども一気に行い、月数万円の支出を減らすことができました。
食費や日用品費、水道光熱費などこれ以上は削れないところまで削りましたが、車検代やもしもの入院費などの特別費、不妊治療費などを含めると月々は赤字でどんどん心がすさんでいきました。
1年半休職後、他の職場で復帰
雇用保険終了後、数か月は不妊治療や資格の勉強などいろいろなことをして過ごしましたが、やっぱりお金の不安と焦りがあり復職を決意しました。
初めは郵便局の早朝バイトをしましたが、もっと稼ぎたいという思いがわいてきて結局看護師の仕事に復帰しました。
新しい職場では不妊治療をしていることを応募時に伝え、友人の紹介で総合病院の外来に就職することができました。
幸い優しい人たちに恵まれ、不妊治療と仕事の両立をすることができ、安定した収入に金銭的な焦りと不安は軽減しました。
私が利用した制度
私が休職中に大変お世話になった制度はこちらです。
高額療養費制度、雇用保険、付加給付制度、県や市の不妊治療助成金

これらの制度がなければ私は不妊治療は続けることができませんでした。
高額療養費制度
治療費の自己負担額が一定の上限を超えた分は公的医療保険が補填してくれる制度です。
あらかじめ限度額適用認定証を健康保険事務所からもらっておき、病院の窓口で提示することで支払いは上限額までで済みました。
現在は限度額適用認定証を取り寄せなくても、マイナンバーカードの提示で手続きが終わるようになりました。
高額療養費制度のおかげで、一回の支払額が少なくすごく助かりました。
雇用保険
失業保険とよく言われるものです。
3か月後からの受給でしたが、収入があることはかなり心の支えとなりました。
初めて長年勤務して良かったと思いました。
不妊治療中だと最大3年間延長できますが、私は通常通りの受給をしてもらいました。
付加給付制度
夫の扶養に入っていたので、夫の会社の健康保険に確認し付加給付制度を受給することができました。
付加給付制度は一か月の自己負担額に上限をがあり、上限を超えた金額が払い戻される制度です。当時体外受精を行っていたので、採卵や薬代で容易に上限を超えていたので、すごく助かりました。
子宮内膜ポリープも2回取りましたが、その際にも付加給付には大変お世話になりました。
県や市の不妊治療助成金
私は県外の不妊治療クリニックに通院していたので、体外受精での助成金があることに数か月気が付きませんでした。涙
「〇〇市 不妊治療 助成金」では検索していたのですが、私の住んでいる地域では県が助成してくださっていたので、見つけることができませんでした。
卵胞のサイズチェックのときに住んでいる地域のクリニックを受診したときにたまたまポスターで見つけて、県の助成金があることを知りました。
この記事を読まれている方は、私みたいにならないように県でも市でも助成金について検索することをおすすめします。
退職前に確認しておけばよかったこと

退職前にしっかりと確認しておけば良かったと思ったことは、会社の休職、休暇制度についてです。
前の職場は私が人工授精を始めたくらいから、仕事と不妊治療の両立に力を入れ始めていたときでした。
やめたい気持ちが先行して、よく調べなかったのですが、今振り返ると休職も手だったかなぁと思います。
前の職場で育休とりたかったなぁと思いました。
まとめ
私は前の職場でのストレスが強かったので、退職したことに後悔はありません。
ですが、収入がなくなることのストレスや不安は想像していた以上に大きいものでした。
私の場合はお金のストレスで不妊治療に影響が出ては良くないと思い、再就職しましたが、正解は人によると思います。

後悔のない選択ができるよう、私の体験談が少しでもお役に立てると嬉しいなと思います。
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